低歪率・高出力電圧の1段増幅ハイブリッドプリアンプ 2015年12月

本機はアンプ部の初段に真空管を用いたハイブリッドアンプにおいて、終段にも真空管をカソードフォロワーとして用いた低歪率、高出力のプリアンプである。従来、アンプ部の終段はトランジスターを用いた構成であったが、終段に真空管を用いることによってより真空管の味を楽しむことができる。真空管の高い入力インピーダンスを効果的に生かした1段増幅アンプ回路とすることで大きなオープンループゲインを得て、ハイブリッドアンプとしては極限といえる超低歪率特性を得ている。また、真空管の高い電源電圧によって高出力電圧(55V)をも得ている。イコライザーアンプにはDCバランス補正回路を採用。

回路構成
イコライザーアンプ部回路
フラットアンプ部回路


諸特性

内部配線

t2鋼板製の強固な筺体内に、防振サポートされたイコライザーアンプ基板とフラットアンプ基板、トランジスター1段増幅構成のヘッドフォンアンプ基板、電源基板、R−コアトランスを配置している。入力はPHONO,LINE1−3の計4系統、出力はREC−OUT、PRE−OUT。

防振構造
アンプ部プリント基板支持に柔軟なゴムサポートを用い、さらに初段真空管(サブミニチュア管)外表面にシリコンゴム製防振ダンパーを装着し、完璧な防振構造としている。初段真空管頭部にはマグネットスタビライザーをも装着して低歪化に寄与させている。

本機のフラットアンプはゲインをLゲイン(14dB),Mゲイン(20dB),Hゲイン(26dB)可変設定とし、MゲインあるいはHゲインとすることによってゲイン0dB(1倍)のパワーアンプを駆動可能である。Lゲインとすることで従来パワーアンプを使用可能。