これまでの開発事例
試作実験から筺体製作に実際に移行したオーディオ機器のうち、設計資料が現存する事例を選んでいくつかご紹介します。
トランジスタパラ入力 MCヘッドアンプ (1978年) |
初段をローノイズトランジスタ2SA640×10パラ、終段を中出力コンプリトランジスタ出力とした低インピーダンスNFB設計の超低ノイズMCヘッドアンプ。 | 回路図 特性図 |
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MOS−FET2SK134/2SJ49 差動2段増幅 100Wパワーアンプ (1978年) |
初段2N3954+ドライブ段2SA706+カレントミラー2SC1124によってMOS−FET2SK134/2SJ49を直接駆動するシンプル構成の直流パワーアンプ。 | 回路図 特性図 |
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2SC2337A/A1007A×2 差動2段増幅 A級30Wパワーアンプ (1980年) |
一般的なFET入力差動2段増幅構成のA級直流パワーアンプ。初段高gmFETによりローノイズ化、低歪率化を図っている。パワートランジスタに高速の2SC2337A/A1007Aを採用。 | 回路図 特性図 |
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2SC2337A/A1007A×4 差動2段増幅 A級50Wパワーアンプ (1974年→1983年改修) |
1974年にバイポーラトランジスタ差動入力として製作した本格的A級パワーアンプ1号機を1983年にFET差動入力に改修。ベーシックなA級直流パワーアンプ。 | 回路図 特性図 |
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2SC2337A/A1007A×3 差動3段増幅 A級60Wパワーアンプ (1985年) |
高速化を図るために差動3段増幅とし、安定な高域特性を得るために細かな高域補正を行っている。優等生タイプのA級直流パワーアンプ。 | 回路図 特性図 |
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2SC2522/A1072×3 差動2段増幅 A級60Wパワーアンプ (1986年) |
高周波特性の向上を狙った差動2段増幅A級直流パワーアンプ。後に、1段増幅アンプに改修。その1段増幅アンプ技術はプリ、パワーアンプに展開される。 | 回路図 諸特性 |
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差動2段増幅 プリアンプ (1986年) |
初段を定電流負荷とした新回路方式プリアンプ。後の差動1段増幅アンプ発想の原点となる。セレクタSWやアッテネータに東京光音電波製を使用、以後のプリアンプでも多用。 | 回路図 特性図 |
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2SC2565/2SA1095 差動2段増幅 A級120Wパワーアンプ (1987年) |
3パラとしたパワートランジスタを2基の強制空冷ファンで冷却する総発熱量600WのA級直流パワーアンプ。 | 回路図 特性図 |
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差動2段増幅 プリアンプ (1989年) |
初段定電流負荷方式プリアンプ。イコライザ初段に高gmのFETを用いてローノイズ、低歪率化。 | 回路図 諸特性 |
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差動1段増幅 プリアンプ (1989年) |
差動1段増幅アンプのプリアンプ適用1号機。素直な高域特性と十分な安定性を確保。出力段にMOS−FET2SK215/2SJ78を採用。イコライザ偏差を計算によって最小化。 | 製作記 | |
差動1段増幅 プリアンプ (1990年) |
シャーシを鋼板t2の高剛性シャーシとしたプリアンプ。後に、低インピーダンスNFB差動1段増幅プリアンプに改修。 | 回路図 特性図 |
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差動1段増幅 プリアンプ (1991年) |
NFB回路を低インピーダンスとし、S/N比の向上を狙った差動1段増幅プリアンプ。シャーシは鋼板t2。プリアンプでの1段増幅アンプ技術を集大成。 | 製作記 | |
2SC2522/2SA1072×3 差動1段増幅 A級60Wパワーアンプ (1991年) |
差動1段増幅アンプのパワーアンプ適用1号機。回路ではなく増幅機能をシンプル化することで高域補償を簡素化。終段は3段ダーリントン接続のA級直流パワーアンプ。 | 製作記 | |
2SC2706/2SA1146×3 差動1段増幅 A級60Wパワーアンプ (1991年) |
差動1段増幅アンプの高速性能を看板とするパワーアンプ。ドライブ電流5mA弱で高スルーレート235V/μSを得ている。DC〜1.6MHzの広帯域A級直流パワーアンプ。 | 製作記 | |
高精度NFイコライザのRIAA偏差解析 (1991年) |
実測では難しいNF型イコライザRIAA偏差を±0.1dB以下に抑え込むシミュレーション手法。ソースコードはQuickBasic。 | 解析記 | |
差動1段増幅増幅 MCヘッドアンプ (1992年) |
左右chをトランスから独立させたMCヘッドアンプ。1段増幅アンプ。NFB定数を低インピーダンス化させてローノイズとさせている。 | 製作記 | |
MOS−FET2SK134/2SJ49×2 差動1段増幅 A級30Wパワーアンプ (1993年) |
MOS−FETアンプに差動1段増幅を適用。終段を無帰還としたA級直流パワーアンプ。機能素子はすべてFETを使用。 | 製作記 | |
高精度CRイコライザのRIAA偏差解析 (1993年) |
CR型イコライザのRIAA偏差を低減させるシミュレーション手法。トランジスタ式あるいは真空管式の減衰方式のRIAA偏差を計算可能にする。 | 解析記 | |
2SC2987A/2SA1227A×5 差動1段増幅 A級100Wパワーアンプ (1995年) |
コンプリメンタリな2つの初段差動1段増幅からなるパワーアンプ。大量の発熱を5パラのコンプリメンタリトランジスタで処理。終段を無帰還とした重量級A級直流パワーアンプ。 | 製作記 | |
DAコンバーター (1996年) |
CS8412+クロックPLL回路-SM5842-PCM63PK-1段増幅アンプフィルタ、からなるDAコンバーター。 | 製作記 | |
ハイブリッド ワンポイント型コンデンサーマイク (2001年). |
ハイブリッド構成によるマイク一体型1段増幅マイクアンプ。初段真空管にE288CCを採用。バッテリ駆動。ヒーター電圧補償回路により長時間(6時間)連続動作。 | 製作記 | |
DC構成差動1段増幅FET ワンポイント型コンデンサーマイク (2004年→2012年改修) |
DC(DirectCuppling)アンプ構成としたマイク一体型マイクアンプ。初段にFET2SK118を用いた差動1段増幅アンプ。カプセル角度は105度広角。バッテリ駆動。 | 製作記 | |
DC構成 A/Dコンバーター (2011年) |
DCアンプ構成A/Dコンバーター。fs44.1-48-96-192kHz、あるいは、fs48-96-192kHzに対応。オペアンプICによる入力回路。バッテリ駆動。 | 製作記 | |
2SC2430/2SA1040×2 ハイブリッド差動1段増幅 A級35Wパワーアンプ (2013年) |
初段にサブミニチュア管6021Wを用いた差動1段増幅A級ハイブリッドパワーアンプ。DC負帰還回路によって出力オフセット電圧を低減。 | 製作記 | |
DC構成 D/Aコンバーター (2013年) |
CS8416-PCM1794構成のD/Aコンバーター。フィルタ部に高速ディスクリートアンプ×6を採用。fs44.1kHz〜192kHzに対応。電源部は別筺体。 | ||
ハイブリッド差動1段増幅 プリアンプ (2014年) |
初段にサブミニチュア管6021Wを用いた差動1段増幅ハイブリッドプリアンプ。入力セレクタとアッテネータのみのシンプル構成。筺体内は薄鉛板によって制振。 | 製作記 |
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2SC2430/2SA1040×2 |
差動1段増幅AB級ハイブリッドパワーアンプ。DCバランス補正回路を新規開発。出力オフセット電圧を抑えながら、完全DCパワーアンプ構成を実現。 | 製作記 | |
DCバランス補正回路搭載 ハイブリッドヘッドフォンアンプ (2015年) |
DCバランス補正回路によって出力オフセット電圧を抑えながら、完全DCアンプ構成を実現したハイブリッドヘッドホンアンプ。 | 製作記 | |
高出力電圧・低歪率 ハイブリッドプリアンプ (2015年) |
アンプ部終段を真空管カソードフォロワーとし、高出力電圧、低歪率としたハイブリッドプリアンプ。イコライザーにDCバランス補正回路を使用。 | 製作記1 製作記2 |
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電圧ゲイン0dB 無帰還A級DCパワーアンプ (2016年) |
高出力電圧・低歪率ハイブリッドプリアンプに接続するための電圧ゲインを0dB(1倍)としたA級30Wパワーアンプ。NFB(負帰還)の無いシンプルな回路構成。 | 製作記 | |
電圧ゲイン0dB 無帰還AB級DCパワーアンプ (2016年) |
高出力電圧・低歪率ハイブリッドプリアンプに接続するための電圧ゲインを0dB(1倍)としたAB級85Wパワーアンプ。動作を詳細解析。 | 製作記 | |
高耐入力 6111WAハイブリッドマイクアンプ (2016年) |
±120Vの電源を用い高出力電圧としたハイブリッドマイクアンプ。真空管グリッド電流を最小化して、1GΩの高入力インピーダンスとしている。漆仕上げの高品位な木製材料カバー。 | 製作記 SL収録例.mp3 (圧縮版) |
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MT管 ハイブリッドイコライザーアンプ (2016年) |
真空管にMT管を採用したイコライザーアンプ。71Vの極めて高いクリップ出力電圧を誇る、高出力電圧、低歪率アンプ。MCヘッドアンプを内蔵。 | 製作記 | |
超A級 無帰還ヘッドフォンアンプ (2017年) |
A級アンプよりさらにアイドリング電流を増大した超A級ヘッドフォンアンプ。無帰還アンプとしては驚異的に低い0.01%以下を達成している。0dBアンプに加えプリアンプも内蔵。 | 製作記 | |
電圧ゲイン0dB 超A級無帰還20WDCパワーアンプ (2017年) |
A級アンプよりさらにアイドリング電流を増大した超A級パワーアンプ。歪率0.01%以下(超A級20W,1kHz)を達成している。アイドルング電流と電源電圧を手動可変としている。 | 製作記 | |
高出力電圧/低ドリフト DCプリアンプ (2017年) |
電圧ゲイン0dBパワーアンプと組み合わせる高出力電圧(60V)プリアンプ。低温度ドリフト、低オフセット変動のDCフラットアンプとなっている。電圧ゲインをもった通常のパワーアンプも駆動可能。 | 製作記 | |
対称動作型出力段 MOS−FET40Wアンプ (2017年) |
対称動作型出力段を採用した電圧ゲイン0dBのMOS−FETパワーアンプ。高gmと良好な対称動作をするSEPP出力段によって、低歪率、高ダンピングファクターを得ている。 | 製作記 | |
完全DCアンプ構成 MCヘッドアンプ (2017年) |
DCバランス補正回路をソリッドステートのMCヘッドアンプに適用。出力DCオフセットを極小としている。DCバランス補正回路を採用しつつも、その存在を全く感じさせない完全DCアンプとなっている。 | 製作記 | |
電圧ゲイン0dB 対称動作型出力 超A級20WDCパワーアンプ (2018年) |
BJT対称動作型出力段を採用した電圧ゲイン0dBの超A級20Wパワーアンプ。アイドリング電流を増大した超A級のもとで、出力段の優れた対称動作を得ており、低歪率となっている。 | 製作記 | |
高耐入力/低ドリフト DCマイクアンプ (2018年) |
アンプ部の電源電圧を±120Vに高め、高耐入力としたマイクアンプ。低温度ドリフトとした完全DCアンプ構成。漆塗りの木製カバーを採用し、MK−41の採用と相まって重厚な音質を得ている。 | 製作記 | |
対称動作型出力 ヘッドフォンアンプ (2018年) |
本機は従来のコンプリメンタリ出力段を対称動作型出力に変更したヘッドフォンアンプである。本質的に優れた対称動作を有する対称動作型出力とすることで低歪率化を達成している。 | 製作記 |
参考資料
NO | 資料名 | 年 | 号 | タイトル |
1 | MJ無線と実験 | 1990 | 7月 | 1段増幅回路採用プリアンプ |
2 | MJ無線と実験 | 1991 | 2月 | 1段増幅方式60W×2パワーアンプ |
3 | MJ無線と実験 | 1992 | 4月 | 1段増幅終段無帰還A級60W高速パワーアンプの製作 |
4 | MJ無線と実験 | 1992 | 7月 | 高精度NF型イコライザーにおけるRIAA偏差の解析 |
5 | MJ無線と実験 | 1993 | 4月 | DC1段増幅方式プリアンプとMCヘッドアンプ |
6 | MJ無線と実験 | 1994 | 1月 | 高精度CR型イコライザーにおけるRIAA偏差の解析 |
7 | MJ無線と実験 | 1994 | 5月 | 電圧1段増幅方式MOS−FET30Wパワーアンプ |
8 | MJ無線と実験 | 1995 | 7月 | A級100W終段無帰還1段増幅パワーアンプの製作 |
9 | MJ無線と実験 | 1996 | 10月 | 防振性能重視コンパクトDAコンバーター |
10 | MJ無線と実験 | 2001 | 7月 | 初段真空管,1段増幅ハイブリッドアンプ内蔵ワンポイント型コンデンサーマイク |
11 | MJ無線と実験 | 2014 | 1月 | A級35W×2ハイブリッドパワーアンプ |
12 | MJ無線と実験 | 2014 | 5月 | アンプ一体型ワンポイントマイク |
13 | MJ無線と実験 | 2014 | 8月 | 192kHz/24ビットA/Dコンバーター |
14 | MJ無線と実験 | 2014 | 12月 | ハイブリッドプリアンプの製作(1) |
15 | MJ無線と実験 | 2015 | 1月 | ハイブリッドプリアンプの製作(2) |
16 | MJ無線と実験 | 2015 | 4月 | ハイブリッドDCヘッドフォンアンプ[設計編] |
17 | MJ無線と実験 | 2015 | 5月 | ハイブリッドDCヘッドフォンアンプ[製作編] |
18 | MJ無線と実験 | 2015 | 8月 | AB級70W×2ハイブリッドパワーアンプ[前編] |
19 | MJ無線と実験 | 2015 | 9月 | AB級70W×2ハイブリッドパワーアンプ[後編] |
20 | MJ無線と実験 | 2015 | 12月 | 1段増幅ハイブリッドプリアンプ[設計編] |
21 | MJ無線と実験 | 2016 | 1月 | 1段増幅ハイブリッドプリアンプ[製作編] |
22 | MJ無線と実験 | 2016 | 2月 | 電圧ゲイン0dB無帰還A級DCパワーアンプ |
23 | MJ無線と実験 | 2016 | 6月 | 電圧ゲイン0dB無帰還AB級85WDCパワーアンプ |
24 | MJ無線と実験 | 2016 | 11月 | 高耐入力6111WAハイブリッドマイクアンプ |
25 | MJ無線と実験 | 2016 | 12月 | MT管ハイブリッドイコライザーアンプ[設計編] |
26 | MJ無線と実験 | 2017 | 1月 | MT管ハイブリッドイコライザーアンプ[製作編] |
27 | MJ無線と実験 | 2017 | 2月 | 超A級無帰還ヘッドフォンアンプ[設計編] |
28 | MJ無線と実験 | 2017 | 3月 | 超A級無帰還ヘッドフォンアンプ[製作編] |
29 | MJ無線と実験 | 2017 | 6月 | 超A級無帰還20WDCパワーアンプ[設計編] |
30 | MJ無線と実験 | 2017 | 7月 | 超A級無帰還20WDCパワーアンプ[製作編] |
31 | MJ無線と実験 | 2017 | 8月 | 高出力電圧/低ドリフトDCプリアンプ[設計編] |
32 | MJ無線と実験 | 2017 | 9月 | 高出力電圧/低ドリフトDCプリアンプ[製作編] |
33 | MJ無線と実験 | 2017 | 10月 | 電圧ゲイン0dBMOS−FETパワーアンプ[[設計編] |
34 | MJ無線と実験 | 2017 | 11月 | 電圧ゲイン0dBMOS−FETパワーアンプ[製作編] |
35 | MJ無線と実験 | 2017 | 12月 | 完全DCアンプ構成MCヘッドアンプアンプ[設計編] |
36 | MJ無線と実験 | 2018 | 1月 | 完全DCアンプ構成MCヘッドアンプアンプ[製作編] |
37 | MJ無線と実験 | 2018 | 2月 | 電圧ゲイン0dB超A級20Wパワーアンプ[設計編] |
38 | MJ無線と実験 | 2018 | 3月 | 電圧ゲイン0dB超A級20Wパワーアンプ[製作編] |
39 | MJ無線と実験 | 2018 | 5月 | 高耐入力/低ドリフトマイクアンプ[設計編] |
40 | MJ無線と実験 | 2018 | 6月 | 高耐入力/低ドリフトマイクアンプ[製作編] |
41 | MJ無線と実験 | 2018 | 9月 | 対称動作型出力ヘッドフォンアンプ[設計編] |
42 | MJ無線と実験 | 2018 | 10月 | 対称動作型出力ヘッドフォンアンプ[製作編] |